2ヶ月を過ぎてからいよいよ子どもの予防接種が始まりましたが、
迷うのが、任意のものを受けるのかどうか。
同じ月齢のママから、小児科に行ったら「任意のものはほかでやってくれ」
と言われたという話を聞きましたが
小児科によって、予防接種についての考えがどうやらいろいろあるようです。
というのも、日本では予防接種に対する考えが諸外国と違うようで、
海外であたりまえに行われている同時接種に対して、抵抗がある方は多いのでは?
近年,接種できるワクチンの種類が多くなった。特に乳幼児期は,複数のワクチンを限られた期間内に接種し,防げる疾患を確実に予防する必要があり,複数の異なるワクチンを同時に接種する「同時接種」が有用な手段となる。その効果と安全性はすでに海外で証明されており,同時に接種するワクチンの本数に原則制限がないことも示されている。しかし,国内では「同時接種」の歴史は浅く,医療者の間でもいまだ十分な理解が得られていない。この数年,少しずつ浸透している感はあるが,正しい知識のさらなる普及は接種側・被接種側双方に求められる。
医学書院/週刊医学界新聞(第3058号 2014年01月06日)
とくに問題視されやすいのが副反応。
国内では,1989年にMMRワクチン(麻疹+ムンプス+風疹)が導入されたが,ムンプスワクチンの成分による無菌性髄膜炎が約500接種に1人の割合で発生し,1993年にMMRワクチンは中止された。この状況を受け,ワクチンの後遺症で苦しむ患者団体が国を相手取って訴訟を起こし,その結果,国は相次いで敗訴,賠償責任が問われることとなった。こうした社会状況の中,1994年の予防接種法改正により,接種はそれまでの「義務規定」から「勧奨(努力)規定」に緩和され,また「集団接種」から「個別接種」へと移行されることとなった。
医学書院/週刊医学界新聞(第3058号 2014年01月06日)
というわけで、つまり、予防接種をしろ!と強く言えないらしい。
で、いままで全然知らなかったのですが、
国によって無料で受けられる予防接種に違いがあるんですね。
日本の予防接種制度には,「定期接種」と「任意接種」という独特の分類が存在する。前者は予防接種法で規定され,原則,接種費用がかからないのに対し,後者は予防接種法で規定されておらず,自治体による補助がない限り,原則,保護者負担だ。任意接種ワクチンには,水痘,ムンプス,B型肝炎,ロタウイルス,成人に対する肺炎球菌ワクチンなどがある。費用負担が大きく,また自治体による接種推奨も行われないことから,国内では依然,任意接種ワクチンで予防できる疾患が流行している現状がある。任意接種のワクチンは定期接種のワクチンと同等に重要なものであり,多くの先進国では国のワクチンプログラムに組み込まれており,その疾患のコントロールにも成功している。例えば,ムンプスワクチンが国の予防接種プログラムに入っていない先進国は日本のみである
医学書院/週刊医学界新聞(第3058号 2014年01月06日)
日本 | アメリカ | イギリス | フランス | ドイツ | |
---|---|---|---|---|---|
B型肝炎 | ▲ | ● | ○ | ○ | ● |
ヒブ感染症 | ● | ● | ● | ● | ● |
小児用肺炎球菌感染症 | ● | ● | ● | ● | ● |
ジフテリア | ● | ● | ● | ● | ● |
百日せき | ● | ● | ● | ● | ● |
破傷風 | ● | ● | ● | ● | ● |
結核 | ● | × | ○ | ○ | ▲ |
ポリオ | ● | ● | ● | ● | ● |
麻しん | ● | ● | ● | ● | ● |
風しん | ● | ● | ● | ● | ● |
おたふくかぜ | ▲ | ● | ● | ● | ● |
みずぼうそう | ▲ | ● | ▲ | ▲ | ● |
HPV(子宮頸がん) | ● | ● | ● | ● | ● |
●定期接種(2013年から基本的ワクチンプログラムに組み込まれている)
○ハイリスク群が対象
▲任意接種(国の基本的ワクチンプログラムに組み込まれていない)
×未導入(国内では通常接種できない)
※EUVAC.NETを参照して2013年4月作成
なぬ~!!
日本では任意となっているおたふくかぜ(ムンプス)が、ほかの国では定期接種となっている!!
またほかにも海外と日本の違いがあって、
次の接種との間隔について。
日本では,不活化ワクチン接種後に異なるワクチンを接種する場合は中6日以上,生ワクチン接種後に異なるワクチンを接種する場合は中27日以上空けることが,予防接種法に規定されている。一方,海外では,「異なる生ワクチンを接種する場合は,中27日以上空ける」以外は,接種間隔の規定は存在しない。日本の規則は,万が一,ワクチンの副反応が出た場合にその責任となるワクチンを明確に区別するために設けられていると推定される。しかし,実際の医療現場では,その期間設定が接種時期を逃してしまう大きな要因にもなっている。
医学書院/週刊医学界新聞(第3058号 2014年01月06日)
たしかに、いちいち計算しなくてはならず、
予定を立てるのがめんどくさいなと思いました。
スムーズにいけばいいけど、万が一、熱が出たら予定立て直しだし。
と思ったら、なんと海外では体温測定しないことも多いのだとか!!
→なるべく多くの子どもたちに必要な予防接種を機会を逃さずに行う、という考え方から、対象外になる条件をできるだけ少なくしようというのが諸外国の予防接種に関する基本的な考え方だからだそうです。日本では体温が37.5度以上あるときは予防接種を受けられませんが、諸外国では発熱(38度以上を発熱としています)や風邪などの急性の軽い病気は、予防接種を避ける理由とはなっていません(発熱や軽症疾患によって副反応発生の危険性が高くなることはない、と明記されているそうです)。
第七回 「母子免疫」「予防接種の意義」と「海外の予防接種事情」(2)
うーむ。
副反応で死亡するケースがあったりするし、
正直わたしも予防接種に対するイメージはあまりよくありませんでした。
でもここまでほかの国と考え方が違うとなんだかな、と思ってしまいます。
きちんとした正しい情報を教えてほしいし、わたしたちも知識を知っておかないといけないですね。
風疹もそもそも予防接種がきちんとされていれば流行するものではないんですよね。
【大流行】風疹予防接種の助成始まってます!特に男性は予防接種を! - 女子新聞手帖
あ、最近「はしか」が流行っているようなので、要注意ですね!!
はしか(麻疹)が流行っています | 港北区 | タウンニュース
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