新型出生前診断を受け、異常を確認したほとんどの人が中絶、というニュースが出ていました。
時事ドットコム:新出生前診断、3500人実施=染色体異常で大半中絶-3人は確定検査受けず
「報告によると、染色体異常の疑いがある陽性と判定されたのは、全体の1.9%に当たる67人。羊水検査などの確定検査で染色体異常を確認したのは56人。関係者によると、数人を除いて人工妊娠中絶を選んだという。また日本医学会は、確定検査を受けずに中絶した妊婦が3人いたと発表した」。
正直言うと、自分の子どもが障害を持っていたらどうしよう、
と頭をよぎったことはあります。
テレビなどで、障害児を持っている方々が大変な思いをして育てていることを知ったりもします。
「母よ!殺すな」昔、横浜で起こった障害児殺人事件について思うこと - 女子新聞手帖
でも、自分は当事者ではないので、本当のところはわかりません。
もし、自分が染色体異常の 診断を受けたら…。
とても難しい問題です。
「確定検査を経て中絶をした人の理由は「染色体異常の子供を産み育てる自信がない」と「将来設計に不安がある」がともに21%となるなど、将来への不安が中絶につながった例が多いことも分かった」。
自信がない、というのは正直な気持ちだと思います。
ただでさえ、不安な子育てなのに、これからどうやっていけばいいのか、
と思うのは自然なことだと思います。
安心して産めるような環境にはならないのだろうか?
「「異常なら中絶と決めて検査に来るのだからやむを得ないが、寂しい気がする」。九州の病院で新型出生前診断に携わる産婦人科医は、心境を明かした。この病院は、100件を超える新型出生前診断を実施した。診断で「陽性反応」とされ、羊水検査を経て胎児に染色体異常があることが判明した妊婦は、誰も妊娠を継続しなかったという」。
「新型出生前診断の登場が、羊水検査など出生前診断全体への抵抗感を減らしたと実感しているこの医師は「将来に不安を感じ、安心して子どもを産めないことが出生前診断につながっている。染色体異常の子どもでも安心して暮らせる社会を作り、こうした検査を進んで受けるような風潮を止めたい」と訴える」。
<新出生前診断>悩み抜いて中絶…やるせなさ募る医療現場 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース
また、「ある遺伝カウンセラーも「自分たちの都合で中絶していいのかと悩み、泣きながら訴える夫婦もいる。育児に不安を抱える人や、社会の支援が足りないと感じている人が多い」と話す」。
「新型出生前診断の対象となっている18トリソミーの患者の家族や遺族らで作る「18トリソミーの会」の桜井浩子代表は「かつては積極的な治療をしない傾向もあったが、医療の進歩によって生存率が高まることが分かってきた。診断の場で、こうした情報が正しく伝わっているのか心配」と訴え」ています。
不安を払拭するための支援や、正しい情報を伝えることが大事なんでしょうか。
そもそも18トリソミーとはどんなものなんでしょうか?
「18トリソミーとは、18番目の染色体が1本多い障がいで、ダウン症(21トリソミー)に次いで頻度の高い染色体異常」で、 「3,000人から8,000人に1人の頻度で発生すると言われていて、重度の発達遅延を伴い、無事に産まれてきても、60%の子が1週間程度しか生きられず、1歳までにほとんどの子が亡くなってしまうという先天性の障がい」なんだそう。
「18トリソミーの子どもたちは、それぞれ症状は異なりますが、心臓やそのほかの臓器に先天的に疾患がある子が多く、急に無呼吸になってしまう症状が出たり、尿が逆流してしまったりすることがあります。
また、食道が閉鎖してしまっていたり、飲み込む力の弱い子が多く、口からご飯を食べることが難しいため、鼻から胃まで、カテーテル(チューブ)を通してミルクを飲まなければいけないことが多いようです」。
この「うまれる」という映画、存在は知っていましたが、
いままでは自分には関係ない、と思っていました。
さまざまな問題にぶつかったら、ものすごく悩んでしまうと思いますが、
18トリソミーであっても、日々、命が育っているということを知って、
ホッとしたというかなんというか…。
(こういう表現でいいのかわかりませんが)
せっかく宿った命を、誰も喜んで中絶しているわけではないと思います。
正しい情報を知って、納得できる判断をできるような社会になればいいですね。