何歳であっても「がん」は怖いもの。
そのためには検診が有効…だと思っていたのですが、
必ずしもそうではない、という驚きの新事実が!
国立がん研究センターがん予防・検診研究センター検診研究部部長の斎藤博さんが言うには、
「結論からいうと現在、若い世代が受けて得をする、つまり利益が不利益を確実に上回る乳がん検診は存在しません」
え!!
さらに、
「がん検診は、早期発見で死亡率が下がるという科学的根拠がある検診のみ有効と考えます。乳がんの場合、マンモ検診は40歳以降は有効ですが、40歳未満の有効性は証明されていません」
なんと!!
というのも、
40歳の乳がん検診において、
1次健診を受けた人…1000人
↓
要精密検査の人…86.3人
↓
追加の画像診断を行った人…73.4人
↓
生検を行った人…6.9人
↓
本当に乳がんだった人…2.8人
(データ:2010年日本乳癌検診学会発表資料、福井県済生会病院外科部長笠原善郎さんほか)
と、「本当にがんの人は、乳がん罹患率(りかんりつ、疾病の発生率)の高い40代でもわずか0.2~0.3%」。
つまり、精密検査を受けた人のなかで本当に乳がんなのは、
かなりわずか。
罹患率が低い20代、30代なら、もっと可能性が低くなる。
「偽陽性の場合、がんかどうかを確認するために精密検査を受け、結果を待つ間、不必要に精神的な苦痛を受けることになります。さらに、本当にがんがあったとしても、その中には進行しないがんが一定の割合で含まれます。でもがんが見つかった以上、治療しますし、その人はがん患者となってしまう」(斎藤さん)。
また、若い人は乳腺密度が濃く、マンモグラフィー検診では
「乳腺も病変も白く映ってしまう」そうで、正しい判断ができないみたいです。
そのため、不必要な検査が増えてしまい、ただただ不安が増大してしまう、
ということのよう。
ただし、以下のチェックに当てはまる場合は、
「家族性・遺伝性乳がんの可能性がある人」なので、
20代や30代であっても、早めに定期健診をするべき、らしい。
☆あなたは「乳がんハイリスク」? チェック☆
□ 40歳未満で乳がんを発症した血縁者がいる
□ 年齢を問わず、卵巣がんになった血縁者がいる
□ 年齢を問わず、血縁者に原発乳がんを2個以上発症した人がいる
□ 血縁者に男性乳がんになった人がいる
□ 乳がんになった血縁者が自分を含め3人以上いる
□ BRCAという遺伝性乳がんの遺伝子変異が確認された血縁者がいる
□ 抗がん薬、分子標的薬、ホルモン療法薬のいずれもの治療が難しい(トリプルネガティブ)といわれた乳がんの血縁者がいる
つまり、最近話題になったアンジェリーナ・ジョリーのような場合ですね。
乳房の予防切除で世界に反響 アンジェリーナ・ジョリー : セレブ☆スタイル : ビューティー : 大手小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
「乳房に異変を感じたら、すぐに乳腺専門医の受診を。これが今できる最大の自己防衛法です」
と斎藤さんがおっしゃるように、
明らかに異変があったらもちろん病院に行くべきですが、
若い世代は、特に何もなければ、無理に検診をしなくてもいい、ということみたいです。
病気については、もちろん解明されてないものもあるとは思いますが、
いろんな情報が飛び交って不安を感じる方も多いと思うので、
できるだけ正しい情報が知りたいですね。