女子新聞手帖

神奈川県在住、自由気ままな30代ワーキングマザー。日課は新聞を読むこと。活字好き。

家庭と仕事の両立に苦労するのはいつの日も変わらないのか:神谷美恵子日記

ハンセン病の療養所、長島愛生園で勤務した精神科医神谷美恵子さん。

数多くの著作を残しており、今まで何冊か読み、私にとってこういう人間になりたいといつも思う存在です。

生きがいについて (神谷美恵子コレクション)

生きがいについて (神谷美恵子コレクション)

 

そんな神谷さんは弱い人のために尽くす、聖人のような、神のような存在であったのですが、

で、千葉敦子氏が「ななめ読み日記」で「(彼女に)弁当づくりをさせた夫を許せない」と怒っていたとおり、自分がやりたい書き物や医療の仕事と果てしないおさんどんの板挟みに苦しんだ日々が綴られている。めっちゃ今日的で、日本の家族のあり方は何も変わっていない。だいたいなんで医師で文学者がつまらぬ家事に時間を費やさなけりゃならんのだ。ものすごい損失。

メシ作りの耐えられない軽さ 神谷美恵子「神谷美恵子日記」 - たべもののある風景

 

という文章を発見し、え?そうなの?と、なかなかの衝撃でした。

ということで、その苦しんだ日々が綴られているらしい「神谷美恵子日記」を読もうと思ったのでありました。

神谷美恵子日記 (角川文庫)

神谷美恵子日記 (角川文庫)

 

まだすべて読み終えたわけではないのですが、例えばこんな一節。

私はどうも疲れて困る。殊に女学院を教えて帰って来るとくたくたで、何をする気力もなくなる。一つは夜、徹にまだおこされるからなのだろう。もっと体力がない事には私は駄目だとつくづく思う。 

すごい気持ちがわかる!

神谷先生でもくたくたになることあるんだ!

専任としての責任と家庭と学問と、この三つをどうしてやり通すか。超人間的な力が要求されている。ああ神様、いつまでもいつまでも山登りがつづく、つづいてもいいけれど、どうぞ必要な力をお与え下さい。

ここで言っている専任というのは大学のお仕事のようなのですが、要するに仕事と家庭に加えて、自分のやりたい学問もすべてやりたい、と。

でもそれは相当大変なこと。

どうやっていくか、ということで苦悩していたようです。

 

さらにこのあと、家族から離れて長島愛生園の勤務を始めるのですが、これについても、

神よ、この道を選んだことをお許し下さい。できればいつまでもつづけさせて下さい。生命の終まで、と祈る。N、R、T、オバサン、皆の健在とリカイがなければ不可能だ。

と書いています。(N、R、Tは家族)

 

今の時代ですら、家庭を持ちながらやりたい仕事を成し遂げることは、家族の理解やサポートがあっても、そう簡単なことでないのに、本当にすごいことだな、と思うと同時に、同じような悩みを抱いていたのか、と思うと私もなんだか元気が出てきました。

 

電蓄(電気蓄音機)を買ってニコニコしていたり、家計が楽になってホッとしたり、すごいことをした人なのに、いたって普通の主婦。

「生きがいについて」を出版したときも、近所の人に

「奥さんは平生のんびりしていらっしゃるようにみえるから、あんなえらい事をする方とは思わなかった」

と言われるぐらい。

お育ちもいいはずなのに、えらそうにしていることもなく、 周りに溶け込んでいたんでしょうか。

「語学のできる奥さん」らしくふるまっているだけ

という箇所もあり、ただそういうふうにふるまっていたからなのか。

とにかく、今までの見方とは大きく変わりましたが、改めて尊敬します。

 

私は子供たちに何一つじっくりとした事をしてやれないわるい母親だが、すなおに私のあとをついてくる律と徹にはただ感謝あるのみ。 

どんな人でも、感じることは同じですね。

 

家庭と仕事を両立させることは不可能なのか、そのうえ、やりたいことをやってはいけないのか。

女性は家事と子育てに専念することが自然なのか。

 

いろいろ感じたり、考えながら読み続けて、私も日々頑張ろうと思います。