読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

女子新聞手帖

新聞などを読んでいて気になった、子育て、教育、医療、家、お金ほか、だいたい「女性」に関わることのメモ。

保育内容よりも大事な命を守るために…園の安全管理について

教育 保育園

きのう17日に出た仙台地裁での判決。

東日本大震災で津波にのまれ、火災にあった幼稚園の送迎バスのなかで

園児5人が犠牲になりました。

園児の遺族が園に賠償を求めた訴訟は、「園の過失」という判断に。

 

わたしは詳しく知らなかったので、

園の職員も人間ですし、あそこまでの大津波を避ける判断は難しい、

となるかと思っていたのですが、

経緯を知るにつれ、園の対応への疑問が出てきました。

「一刻も早く親元に」元園長の証言、判決で一蹴 (読売新聞) - Yahoo!ニュース

 

1:内陸へ向かうはずの園児が海ルートの送迎バスに乗っていた

亡くなった園児たちは、園より内陸に住んでいた。

なのに、なぜ海側へ向かうバスに乗っていたのか。

「元々、海側へ向かう第2便と、内陸方面の第3便の送迎ルートがあった。しかし事故当時、両便の園児は同じバスに乗り、海側に住む7人が降ろされた後、残った第3便の園児5人が死亡した。震災前から現場の判断で、2便と3便の一本化が始まっていた。しかし、保護者に対する説明はなかった」。

 

震災前からそうなっていたにもかかわらず、保護者への説明がなかったのはたしかに問題。

親御さんたちは、まさか自分の子が海ルートのバスに乗っていたとは思わなかったでしょう。

もし通常通り内陸ルートのバスに乗っていたら、絶対に防げた。

 

2:職員へ園のマニュアルが配られていなかった

「これ(事故にあったバス)とは別に、園児18人を乗せて海側に向かった送迎バスは、運転手がラジオで津波警報が出ていることを聞き、園へ引き返して無事だった」。

別の運転手はラジオを聞き、おそらく個人の判断で園に戻った模様。

ということは、園としての危機対応が職員へ教育されていなかったのではないか。

 

幼稚園のマニュアルでは、大地震が発生した場合、園児を幼稚園にとどまらせることになっていたのに職員に十分周知しておらず、海側にバスを出発させていた。きちんと情報収集をしていれば幼稚園にとどまっていたはずで園児5人の尊い命は失われることはなかった」

石巻・津波で園児5人死亡 幼稚園側に賠償命じる判決 NHKニュース

 

マニュアルと違う対応をしたうえに、そもそもそのマニュアルは職員に配られていなかった。

 

元園長はなぜマニュアルに従わず、バスを出発させたのか。

「みぞれが降る中、不安におびえている園児を一刻も早く親元に帰したかった」

…たしかにそうかもしれないけど、まず何より園児を守るのが園の責任ではないのか?

 

3:いったん避難していた門脇小学校から園までは、徒歩のほうが早かった

バスは海側を回ったあと、門脇小学校へ一時的に避難していた。

園まではなんと徒歩5分。

「門脇小の児童たちは、階段を歩いて日和山に避難し、無事だった」という。

 

それに対する園の説明は、

「「園から小学校へ通じる階段には、墓などの倒壊物があり、危険で通行できなかった」と話したが、後に「徒歩で戻るよりバスで戻った方が安全で速いから」と答えた」。

しかし、その後再びバスで出発、渋滞に巻き込まれ、最悪の結末となった。

 

つまり、園の管理がきちんとしていなかったし、

保護者への説明も足りず、不信感へとつながってしまったのだと思います。

f:id:joshi-julietta:20130810150930p:plain

 

一度失われた命は二度と戻りません。

ただ、あれだけの災害を予測できたか?正直みんな予想外だったのは事実。

園としても安全管理をきちんとするのは当然ですが、

保護者側としても、不測の事態のときにこの園の対応は大丈夫だろうか

うちの子を預けて大丈夫だろうか

と身構えて、入園するときなり、不安に思ったときなど、きちんと説明を聞いておくことも大事かもしれません。

 

幼稚園・保育園では、園独自のさまざまなカリキュラムがあったりするでしょうし、

その内容が魅力的だとか、お友達がいるからとか、

毎日のことなので通いやすいかどうか、などで決めてしまうかもしれませんが、

何よりもここに預けて大丈夫か、を第一にわたしもこれから考えたいな、

と、このニュースで気付かされました。

 

軽く調べてみましたが、園のホームページできちんと安全管理について書かれているところ、

そうでないところがあるようです。

市ヶ尾幼稚園|安全管理

カリタス幼稚園 各種情報 防災について

安全管理について 白山ひかり保育園

 

もしホームページでそういった記載がなければ、説明会などできちんと聞いておく必要がありそうです。

 

ホームページだけがすべてではありませんが、

保護者が情報を知る入口がホームページになることも多いと思います。

 

見やすく、わかりやすいホームページ(またはパンフレット)をつくり、

きちんと情報提供するということも、

これから園に求められるんだなーとしみじみ思いました。

 

とはいえ、実際の職員の方たちはいろいろな雑務に追われて大変なことと思います。

たとえば保育園を増やしたくても慢性的な人材不足で、運営も厳しそうです。

子どもを預かるという、責任重大な仕事なのに低賃金で長時間労働にならざるを得ない。

【待機児童問題】 保育士の待遇改善が急務 低賃金、長時間労働で恒常的人手不足 47トピックス - 47NEWS(よんななニュース)

深刻!保育士不足「きつい安い長い」で超不人気―待機児童解消に大きな壁 J-CASTテレビウォッチ

 

運営体制が整いづらいこうした状況で、誰が安心して子どもを預けられるというのでしょうか。

 

災害だけではなく、日々事故の危険がある場所です。

「「職員の目、職員の人数に余裕がある場合は、事故は起きにくいようである。ぎりぎりの職員体制でやらなければならない日などに事故が起きやすいので、特に気をつけている」のように、事故防止のためには余裕のある職員体制が必要、としている」

とあるように、まずは園の体制がきちんとしていないと、安全な環境はつくれません。

そして「保育者の危険予知能力と危険回避能力を高める」ことは常に心がけ、

それと同時に「保護者への啓発」も必要なことだと思います。

保育所における乳幼児の事故防止対策に関する調査研究報告書---保育所における安全管理 - 社会福祉法人 日本保育協会

 

でも、どうすれば安全かというのは正直私たちには判断できません。

100%安全、はありえません。

ただ、何か変わったことがあったら、きちんとした説明をするとか、

保護者との信頼関係を損なわないよう、「日々の対応・対策」は怠ってはいけないと思います。

 

これからの将来を担う子どもたちのために、できることはきちんと、

みんなで手を取り合って、最善の努力をしていくべきではないでしょうか。

広告を非表示にする
© 2013-2016 joshi-julietta