女子新聞手帖

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「婚外子相続差別は違憲」を読み解く 相続についてみんなでしっかり考えよう

きのう最高裁で婚外子相続差別は違憲である、という判決が出ました。

婚外子相続差別は「違憲」 最高裁決定、民法改正へ  :日本経済新聞

 

いままでの民法では「結婚していない男女間に生まれた婚外子(非嫡出子)の相続分を法律婚の子(嫡出子)の半分とする」もので、

この決定で、同じ相続分を受け取れることになるようです。

 

当然、いろいろと賛否はあるようですが、

かなりややこしい問題で、わたしもよくわからなかったので、ひとつひとつ考えてみました。

 

★婚外子とは

婚外子=非嫡出子。

婚姻届を出していない男女間に生まれた子。

婚外子 とは - コトバンク

 

★婚外子といってもいろいろある

ただし、婚外子といってもいろいろなケースがあることを心に留めておきたいと思います。

「婚外子出産のきっかけは、結婚を拒否し子供だけ欲しくて生んだケース(いわゆるシングルマザー)、男性の妻が離婚に同意しないため仕方なく婚外子として出産するケース、夫婦別姓を保つために結婚届を出さない事実婚で生まれる子供など、様々である」。

 

★私生児と庶子

「1942年(昭和17年)までの日本の民法は、養子でない子を嫡出子庶子(婚姻外で生まれ父が認知した子)、私生子(婚姻外で生まれ父の認知を受けない子)の三つに分け、私生子より庶子、庶子より嫡出子を優遇していた」。

嫡出の法理---嫡出 - Wikipedia

いまはそんな区別はありませんが、

非嫡出子と一言でいっても、認知しているか認知していないかで意味合いは違うわけです。

 

★ポイントは父親の認知

つまり、認知しているか、認知していないか、

そこがポイントな気がします。

 

結婚しているか、していないか、

というより、父親が自分の子であると認知しているか、そうでないか。

 

そこはきちんと区別しなくてはいけません。

 

★私生児は相続できるのか

私生児は認知されていないので、相続はできません。

■□ 3 私生児でも相続できるか? □■---「相続」を「争続」にさせないためのお手伝い

 

★昔は多かった

コトバンクの婚外子の項目に

「戦前は一夫多妻的慣習が残っていたため婚外子比率も高く、7~10%に達していたが、戦後急速に低下し、現在は2%程度にすぎない」

とあるように、昔は婚外子(=庶子)は今より多かったとのこと。

 

ちなみに歴史上の人物にもたくさんいるようです。

庶子といわれている歴史上の人物---庶子 - Wikipedia

 

★なんと日本だけ対応が遅れていた

海外ではどうなのかというと、すでに対応は進んでいたよう。

「欧米では事実婚の増加などから、60年代以降に差別撤廃が進んだ。韓国や社会主義の中国にも区別はなく、主要先進国で規定が残るのは日本だけ。国連はこれまでに計10回、日本に是正を求める勧告をしており、いわば外堀も埋められた形になっていた」

とあり、諸外国ではとっくに平等な相続が行われていて、

日本だけが完全に出遅れていた模様。

女性の管理職比率といい、どうしてこういう問題は出遅れがちなのでしょう。。

家族観の変化重視、「個人の尊厳」優先 婚外子差別は違憲  :日本経済新聞

 

★婚外子であることの差別

相続の問題以外にもいろいろな差別がある(あった)。

 

たとえば戸籍には嫡出子なら「長男」「長女」、

非嫡出子だと「」「」しか書かれなかった。(2004年に是正済み)

しかし、いまも出生届には嫡出子かそうでないかのチェック項目があるとか。

 

また、母子家庭に適用される寡婦控除は、未婚の場合は適用されない。

<婚外子>「ペナルティー?」 相続格差以外にも差別 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース

【婚外子規定 違憲】残る「差別」 出生届けにチェック欄 寡婦控除は適用除外+(1-2ページ) - MSN産経ニュース

 

★そして今回…

「婚外子の増加のほか、晩婚化や非婚化、少子化、子を持つ夫婦の離婚の増加などで、結婚や家族の在り方、それに対する国民の意識が大きく多様化した」

ということです。

結局国内の事情というより、国際的に乗り遅れていたからなのでは?

婚外子の相続差別は違憲 最高裁初判断「確定事案に影響せず」 (産経新聞) - Yahoo!ニュース

婚外子の女性「認めてもらえ幸せ」 相続差別違憲の決定  :日本経済新聞

 

★嫡出子側は納得できない!

一緒に暮らしてきた(世話をしてきた)嫡出子と、そうでない非嫡出子で同じ相続額になる、

というのはたしかにどうなのかと思います。

しかし、父親は両方とも自分の子と認知してしまったのです…。

「非常に残念で受け入れ難い」=嫡出子側がコメント―婚外子相続 (時事通信) - Yahoo!ニュース

 

★相続で揉めないために…

今回最高裁でこういった判断をしたから、といっても、

人間の気持ちはそう変わりません。

わだかまりはこの先ずっと残る可能性があります。

これでは、どちらのためにもなりません。

 

じゃあどうするか。

 

別に婚外子に限らず、相続は難しい問題。

相続人である人は生前にきちんと遺書を書いて示しておくこと。

これしかないと思います。

婚外子がいる場合の相続はどうなる?|資産承継|コラム・基礎知識 レッツプラザ 三井のレッツ

 

死んでしまった当事者は何も知らず、

残された子どもだけが争って憎しみ合うなんて、悲しすぎます。

 

死ぬ前に考えるなんて縁起が悪いとか、なんとかなる、ではダメ。

知らなかった、とあとで後悔しないためには、

きちんと相続のことを家族全員が知っておくこと。

法律は難しい…けど、ある程度の法律の知識は必要ではないでしょうか。

 

婚外子うんぬんではなくて、相続は結局みんな考えなくてはいけない問題だと思います。

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